カクキューの八丁味噌を愛した著名人

みたへいぼんじ
三田平凡寺

1876年(明治9年)~1960年(昭和35年)
東京都出身。珍品蒐集家。我楽多宗祖。易学者。

子供の頃の事故で鼓膜を破り聴力を失い、それ以降は会話に筆談を用いましたが、絵・川柳・狂歌・漢詩・易学などを学び才能を発揮しました。また日本に入って間もないローラースケートを購入し楽しんだ事でも話題を呼びました。

絵馬・土俗玩具・干支玩具などを蒐集し趣味山平凡寺を名乗り、1919年(大正8年)に全国に会員を募り我楽多宗を設立しました。会員に旧福井藩主松平康荘侯爵・人類学者スタール・岡崎市の稲垣豆人らがいます。稲垣はのちに松井弘らと岡崎趣味会を発足させ郷土史研究に影響を及ぼしました。

我楽多宗と趣旨を同じくして、大正後期に関西で高橋好劇が中心となり浪華趣味道楽宗が設立されました。会員に川崎巨泉がいます。

三田平凡寺は夏目漱石を尊敬し「吾輩は猫である」のパロディ「吾輩も猫である」を著しました。平凡寺の末娘は夏目漱石の長男と結婚し、その間に誕生されたのがマンガコラムニスト夏目房之介氏です。2024年(令和6年)複数の著者と共に「非凡の人 三田平凡寺」を出版されました。

当社史料室には昭和時代に三田平凡寺に味噌をお送りした記録が残っています。宛先は東京都芝区。嶋村博氏が著した2024年(令和6年)発行の「みどりや主人の大正・戦前昭和」に松井弘が三田平凡寺を訪問し筆談を交わした様子などが紹介されています。

また、当社史料室には大正時代に高橋好劇から17代当主早川久右エ門宛に送られた年賀状も残っています。

松井弘」「川崎巨泉」について詳しくは当社ホームページの「カクキューの八丁味噌を愛した著名人」の「松井弘」「川崎巨泉」をご覧ください。

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