石積み

円錐状の石積みは八丁村(現・岡崎市八帖町)のみ

 八丁味噌の仕込み桶の上には、大量の重石が円錐状に積まれています。このように積む製法は江戸時代初期から現在まで、この八丁村(現・八帖町)で八丁味噌を造り続ける2軒のみです。そして、石を積む作業は現在も職人の手で行われています。

 重石は、味噌の水分を桶全体に行き渡らせるために一つ一つ積み上げます。木桶に仕込んだ味噌に重石を積むことなくそのまま置いておくと水分は下に下がり、上部の味噌が乾燥してしまいます。しかし、重石を積んで圧力をかけることにより、八丁味噌を凝縮させ、水分を味噌の上まで押し上げ、水分を全体に均等に行き渡らせることができるのです。
 八丁味噌は、他の豆みそよりも仕込み水が少ないことから、他の味噌屋よりも多くの重石が必要なのです。1本の木桶には八丁味噌を約6トン仕込み、その上に約3トン、数にして約350個もの重石を積み上げます。

熟練の職人による石積み

 八丁味噌の石積みは、自然石を組み合わせて積み上げるお城の石垣の積み方の一つ、「野面積み(のづらづみ)」とよく似た積み方で、地震などの揺れを吸収して崩れることはありません。岡崎は徳川家康のふるさとで岡崎城があり、石の都としても名高い所であります。こういった環境が、八丁味噌の石積みを生み出したのかもしれません。
 八丁味噌は2年以上熟成させますが、この期間を通して崩れることの無いように積み上げるには、10年以上の修行が必要です。まさに、熟練の職人のみがなせる職人技です。
 使用している重石のほとんどは、かつて矢作川の上流より運び入れた天然の川石で、何百年も大切に使い続けています。

カクキューの技術